木村玲奈ダンス作品「どこかで生まれて、どこかで暮らす。上田にて」公演チラシ
今回の「どこうま」というダンスには、計6人のダンサーと、6つのランプが登場する。各ダンサーの身体とそれぞれのランプの形が明確にリンクしていること。それが今回のアートワークの糸口となった。奥行きも前後関係も曖昧な、真夜中のような水底のような、だれかの部屋。心地よい距離を保って配置されたランプたち。それぞれの明かりは干渉しあうことなく、それぞれの暗がりをそれぞれなりに照らしている。調和の取れた関係性がそこに生まれている。ランプたちは「どこうま」の出番を待って眠っているのか、あるいは誰にも気づかれず、静かに自分のための踊りに興じているのか。線をわざと斜めにしたり図形を揺らがせて、微かな動きをつけた。この部屋に、これからどんなことが起きるのか?それは本番を見た人にしかわからない。そんなことを考えながら制作した。(miuro)
ダンス公演のチラシを手がけるのは初めて。今回のチラシ制作にあたっては、木村玲奈さんへのヒアリング時にでてきた「間」というキーワードを意識し、なるべく要素を盛り込みすぎないことを心がけた。ふだん、締め切りを逃しまくる夜ノ帳社には珍しく、メインビジュアルはほぼ1日で完成した。(藤澤)